板倉 須美子(1908〜1934)
ロシア文学者昇曙夢の長女として生れ、与謝野鉄幹、晶子の媒酌で鼎と結婚。パリで鼎の手ほどきを受けて制作を始め素朴で詩情豊かな作品が藤田嗣治に絶賛された。夫、幼い娘二人を相次いで亡くし本人も帰国後肺結核で早世した(25歳)。

板倉 鼎(1901〜1929)
千葉県松戸育ち、東京美術学校(現東京藝術大学)卒業後、1926年妻須美子と共にパリに留学。明るく洗練された色彩と堅固な構成のモダンなスタイルが評価されサロンドートンヌ入選も果たしたが、28歳の若さで客死した。松戸市教育委員会を中心に再評価を進めている。
板倉須美子「ベル・ホノルル21」(1928)
松戸市教育委員会蔵
「板倉鼎・須美子展」 千葉市美術館 2024年4月6日~6月16日
美術エッセイ集「板倉鼎をご存じですか
ーエコール・ド・パリの日本人画家たち」 「板倉鼎をご存じですか」書評 渡仏した早世の夫妻の再評価|好書好日
著者:水谷嘉弘 コールサック社 2024年4月刊
NEWS・TOPICS・COLUMN
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