【news】シンガポール国立美術館からの照会

先月、シンガポール国立美術館の director&curator の方 から板倉鼎について照会がありました。同館は2015年設立の東南アジアの近現代美術を専門とする美術館です。

「2025年開催予定の「City of Others: Asian Artists in Paris 1920s-40s」という特別企画展の準備を進めている。従来「日本の画家がみたパリ」というように国別の枠組みで捉えられてきた大戦間の画家のパリ体験を、ベトナム、中国、日本の画家(工芸家)の足跡を追い一つの展覧会のなかで横断的に検証する企画。大戦間時代の日本人画家の活動を調べていく過程で板倉鼎・須美子を知り、多くの作品を所蔵する松戸市教育委員会で現物を実見出来ないか、展覧会に展示する作品を借用できないか」との問い合わせでした。

板倉鼎・須美子を知ったキッカケは同展の準備でパリに出向き当時のサロン等に出品した東南アジア画家を調査していた時。企画展にはベトナム人、中国人に加え日本人画家を何人か取り上げ在パリ作品を展示したい。キキメとなる藤田嗣治や佐伯祐三の展示作品は内定しており、板倉鼎について当社団のホームページを閲覧してコンタクトして来られたそうです。早速、松戸市教育委員会の田中典子学芸員に繋ぎました。

本ホームページ【近代日本洋画こぼれ話】で取り上げた川島理一郎、清水登之、等に加え、板倉鼎と同様忘れられたエコール・ド・パリの画家の一人である高野三三男も展示候補になっているようで、同時代の本邦洋画家の再評価、顕彰を旨としている当社団にとって嬉しい連絡でした。近年の繁栄著しいASEANの中心都市シンガポールで板倉作品が展示紹介される展覧会に大いに期待しています。

文責:水谷嘉弘

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